幸せな暮らしをデザインし
持続可能な住まいをご提供するために…
くらしデザイン室 室長(取材当時)嶋田 隆吉
※所属部署等に関しては取材時のものになり、現在の所属と異なる場合がございます。
INTERVIEW
現在のミッション
私が所属する「くらしデザイン室」は、当社商品である戸建分譲住宅「ブルーミングガーデン」と注文住宅「趣暮(しゅくら)」に対し、住宅分野における新しい技術や製品、および住まい方などの提案に向けて調査・検証し、商品開発することがメインの業務になります。また、当社商品デザインの指標づくりや部署間での業務フローやルールの整備等、社内ガイドラインの策定に関する部分も担っています。
「住宅分野における新しい技術」…例えば、スマートハウスにおけるHEMSといった家庭内エネルギーコントロールや再生可能エネルギーの利用などの環境配慮型設備…等々。震災を機にエネルギーやエコに対する一般消費者の関心は高まり、導入は加速化しています。
そういった技術や製品を、メーカーの提供価格に伴うコストの変化と利便性のバランスがとれた「旬」のタイミングで当社の商品に導入することが「お客様に魅力を感じてもらえる商品」を提供することになります。先端の技術を搭載することで高価で手が届かない商品になっては意味がありません。
例えば、太陽光発電システムを導入するにあたっては、メーカーの選定、価格交渉、保証対応、設計・施工部門の業務手順の周知、販売に関しては、商品知識や公的な補助金に関しての研修、発電シミュレーションなどの販促資料の作成…と様々な準備を整える必要がありました。
いざ、搭載すると方針が決まればスピーディに準備する必要がありますので、前もって情報収集をしっかりと行い、それに対応できる下地を作っておかなくてはいけません。展示会や設備メーカーへのヒアリング、セミナーに参加して市場動向や新しい法律・制度の情報を得たり…大事にしているのは、机上の調査だけではなく、出来るだけ外部に足を運んで現場で感じ取ること。欲しい情報に直結する内容ではなくても間接的なヒントが得られることが多々ありますから。こういった調査の積み重ねは、当社商品をどう展開していくかの提案にも結び付いていきます。
東栄住宅の好きなところ
当社の建物は全棟「設計・建設性能評価」取得。制度の開始当初から積極的に取り組んできました。また、対応可能なものは「長期優良住宅」も認定を受けています。お客様に住宅性能を「目にみえる指針」として示し安心して暮らしていただけるよう、コストと時間をかけて取り組んでいる「まじめなモノづくりの姿勢」には誇りを持っていますね。
環境問題の観点から考えても、CO2排出削減が求められる中、炭素の固定化に貢献する木造住宅を長く使えるように高性能・高品質で提供する事は、たいへん効果的な環境配慮です。このように率先して取り組んでいる事を皆さんにも知って欲しいところです。
また、当社では社内コミュニケーションを活性化させるために、国内・外の複数の旅行先から選択して任意で参加できる「社内旅行」が実施されています。私は昨年、屋久島に行ってトレッキングや釣りをしてきました。とても楽しく参加できますし、リフレッシュしますね。部署や役職、世代をこえて交流できるので、その後、その人と一緒になる場面があるととても仕事がしやすくなります。こういう場を与えてくれるのはありがたいと思っています。
志望理由
父親が建設業だったこと、ものづくりが好きだったことから自然と建設関係を目指すようになり、高校は工業高校、大学は建築学科に進みました。
学んできた木造建築の設計ができて、成長路線で勢いのある東栄住宅なら、早いうちから色々任せてもらえて、力を発揮できるのではないかという期待があり入社いたしました。
入社して
入社当時は、今よりもっと小さい会社規模ながらも販売棟数は右肩上がりで活気がありましたね。
はじめての現場担当では、はりきり過ぎて「斜めの壁だらけのかっこいい」間取りを提案しました。担当の支店長からは「工夫していておもしろいけど、商品化する勇気がないな~」と温かいダメ出しをいただきました(笑)。
私の入社は新卒採用1期生だったせいか、皆さんすごく優しかったように思います。結局、屋根や外装部分を任してもらうことになり、自分が書いた図面通りにできあがったことが嬉しくて、しばらくは友人に現場を見せて自慢したものです。
今考えると1年目の割にはいろいろ任せてもらえました。何をするのも初めてですからもちろん不安はありましたが、周りからの指導やサポートがありましたし、とにかく「やってみればどうにかなる!」という意気込みで乗り切っていましたね。
現在は、技術職で新卒入社すると半年間、技術系の各部署を経験できる研修プログラムがあります。
当社は自社一貫体制ですから、設計、施工、造成、品質管理…等々多くの部署があります。各部署が実際にどんな仕事をしているのかおおよそ理解することで、色々なアイデアやリスクを考える時、会社全体の流れを意識することができるようになるのはたいへん有意義だと思います。
設計課
入社後10年間、設計課に所属していました。
設計課での基本業務としては、仕入企画担当者と現場のコンセプト、間取りプラン、外構プラン、駐車スペース等の検討を行い、隣地の状況や高低差などの現場調査の内容をもとにプランを具体化していきます。その際、構造計算に基づいた耐震設計や採光、生活動線や収納などの実際の暮らしやすさを重視した間取り、その他法令上の制限…等々を考慮する必要があります。
また、品質の部分を証明する「性能評価」や「長期優良住宅」の申請に関連する業務もあります。
管理職になってからは、いかに課員を教育し課をまとめるかが重要なミッションです。また、年間数百棟もの現場に対応できるように、他部署とのやりとりで効率化が図れるものはフローや決まりを作って部署間の調整をしたり、外部の業者でできる内容の整備をしたりと、組織を意識しつつ一部署として目標達成するために必要なことをしてきました。
請負建築(注文住宅)
注文住宅の営業兼設計に異動になりました。
注文住宅ですから、お客様のご要望をしっかりと理解することが不可欠です。ある時、小学生の男の子3人のお子さまがいらっしゃるお客さまで、2階の3部屋を子供部屋にしたいとの要望の案件がありました。できるだけ部屋は広くしてウォークインクローゼットを作って…と自信作をいくつかご提案しましたが「8帖もいらない、6帖でいい。クローゼットは一番小さいサイズで3部屋とも同じがいい」との事。
わざわざ小さくするなんて…と思ったものの、よくよく聞いてみると3人のお子さんが喧嘩にならないよう「平等」にしたかったそうです。子供たちに差をつけないよう大切に想っているご家庭なんだと感心させられました。
その後、2階廊下に納戸を提案し、ご要望通りの間取りで契約に至りました。初期ヒアリングの大切さを改めて認識しましたね。
くらしデザイン室 室長へ
その後、商品企画部を経て現職のくらしデザイン室長となります。
くらしデザイン室での業務は多岐にわたるのですが、印象深いのは当社で初出展となった展示場の仕事です。「展示場」の設計というのはそれまでに経験してきた分譲住宅や注文住宅の設計とは異なります。当社が提案する6つのライフスタイルに合わせた住まい方を1棟の中にバランス良く配置することやお客様の回遊性を意識することが必要でした。周りの方々に相談に乗っていただき徐々に方向性を絞り、期日迄になんとかプランを決定することができました。
とにかくこのミッションはスケジュールがタイトだったので、関係各所に早期対応をご協力いただく必要があり、その調整に尽力しました。そんな中、上棟日に東日本大震災が起きました。現場には被害が無かったものの、以降、ガソリンスタンドは大行列、計画停電で信号は点かない、建築資材が不足していて現場に入らない…どんなアクシデントが起こるかわからない状況が続きました。設計担当者と現場監督は本当に大変だったと思います。私も可能な限り現場をサポートしました。
何とか予定通りオープンを迎えることができた時は本当に嬉しかったですね。あの数か月間は本当に大変でしたが、やり遂げた達成感は忘れられません。
今後の目標や夢
技術は年々進化し、住宅は色々な要素を備えるようになってきました。
断熱性能の向上、再生可能エネルギー利用、ICTによるエネルギーと設備の自動制御…といった建物の「ハード」の部分と、家族コミュニケーションや育児、人口・世帯構成の変化に伴う住まい方…といった「ソフト」の部分の両方について、その時代に必要とされる「ちょうど良さ」を見極め、お客様に喜ばれる「快適で幸せなくらし」をこれからも提供できるよう努力していきます。
技術職を目指す方へ
仕事をしている中では困難な場面も多々ありますが、くじけずにやってみる事で自身の成長につながります。
行き詰った時にも、前向きに考えて粘り強く取り組める人がいいですね。
一人ひとりの能力向上なくして会社全体の成長に繋がりませんから。
さらに、与えられた仕事の枠から一歩踏み込んで「どうしたらより良くなるか」を考えられる向上心が必要不可欠です。