ダイバーシティ促進
障がい者雇用促進の核である「東栄ドキュメントセンター」の設立
東栄住宅では、従来より様々な障がいを持った方々と一緒に働く環境が根付いており、障がい者雇用に対しても積極的に取り組んでいました。その一方で、課題として既存の業務では長期間継続していく事が難しい事が挙げられていました。
2017年5月に倉庫の移転を機に機能を拡張し、印刷やスキャン業務、社内の各部署の事務作業やルーチンワークを請負い、効率化やコスト削減を目的とした『東栄住宅ドキュメントセンター』を設立しました。仕事の進め方を工夫することで、障がい者の方々も長期間就業できるようになりました。この効果は大きく、仕事を一部切り出した部署は本来の業務に専念できるようになり、生産性の向上に繋がっています。
また、今日では社外からも名刺やチラシ等を積極的に受注し『収益を生み出す部署』として収益にも貢献しています。
東栄ドキュメントセンターの特色
- 社内の課題を解決する一部署として全社に活用されている
- 入社時に面談・職場見学を行い、お互いに合理的な配慮をして業務に当たっている。
- それぞれの障がいの特性を理解し、チームワークを重視している。
設立の目的 - 当社が抱える「5つの課題」の解消へ -
- 障がい者の雇用機会の創出
- 当センターが設立された事により、より多くの障がい者の方の受入が可能となり長期に亘り継続して就業できるようになりました。
- コスト削減
- 名刺、封筒、ラミネート等の紙系ツールを内製化。
全社のコスト削減に貢献しています。 - 業務効率化
- 主力事業部門の残業時間の削減や重点業務に活用する時間を確保してもらうため、隙間時間や残業時間に行っている各部門の画一化された業務を請け負い、全社の生産性向上に貢献しています。
- 文書電子化業務
- 当社各支店・営業所で保管する契約書等を、電子・紙・紙+電子に分類し一括保管。
各支店・営業所でこれまで書類に占拠されていたスペースを有効活用できるようになりました。また、書類に関する問い合わせにも即時対応が可能になり、効率化に貢献にしています。 - 収益機会の創出
- 紙系ツールを内製化した実績を活かし、社外にもコスト削減を提案しています。
対応できるアイテム数も増え、多くの企業様からご依頼をいただき、収益機会として社内への貢献にも繋がっています。
日々の業務の紹介
印刷業務
名刺、封筒、研修会議資料、アフターサービス基準、保証書等、様々な印刷物に対応しています。
文書電子化業務
当社が事業開始当初から保管してきた各種重要書類を電子化することで、共有や検索、回覧などが容易になります。全社の事務効率を大幅に向上させる重要な業務です。
販売促進ツールの提供
当社とお客様を繋ぐBTG(ブルーミングガーデン・サンクス・ギフト)発注業務や会社案内等の備品管理・準備・提供を行っています。
重要書類の作成
長期優良住宅の申請書類、大工さん向けの現場資料、引渡時にお客様にお渡しする説明用のファイルといった事業に欠かせない重要書類の作成を東栄ドキュメントセンターが担当しています。技術部門が本来の業務に専念でき、生産性向上・残業削減に繋がる支援業務です。
社外受注業務
名刺や封筒作成の受注をはじめ、例えば中学校のオリジナル教科書を、専用ソフトできれいに加工して冊子にしたり、建築現場で使用するプレートの作成やあいさつ状の作成・発送等。ご要望にお応えして様々な印刷物を手掛けています。『取引先企業様のコスト削減に貢献する』がコンセプトです。
東栄ドキュメントセンターで働く人の声
リーダーとして気をつけていること
ドキュメントセンターは、目的の一つに障がい者雇用の促進を担っていますので、メンバーの大半が障がいをお持ちの方です。共に働いているメンバー全員、業務に対する意欲が高く、またそれぞれが得意とする能力を持っています。そのような中、私が心掛けていることは、一人ひとりの障がい特性を理解し、メンバーが最大限の能力を発揮できる環境を整備することです。具体的には、社内外の窓口は私が担当することが多いので、メンバーに効率よく業務を遂行してもらえるよう、「正しい情報共有」と「得意分野に合わせた業務の割り振り」を行うことです。また、メンバーに過度な負担がかかることのないよう、一定の休憩や、ノー残業DAYを設定する等、就業中の配慮も大切にしています。しかしながら、設立してまだ1年ですので、まだまだ改善すべきことは多々あります。ひとつずつ解消しながらより良い職場環境をつくれるよう取り組んでいる状況です。
ドキュメントセンターの役割と期待されていること
ドキュメントセンターの主要業務は大きく3つです。
- 紙系ツールの内製化(主に名刺、封筒など)によるコスト削減
- 各部署の画一化された業務を請け負い、全社的な業務を効率化すること
- 既存文書を電子化し、保存・保管ならびに管理をすること
これらを通じて、各部署のサポート部署として、全社の生産性向上に貢献したいと考えております。特に、紙系ツールの内製化を通じたコスト削減は、当社グループ企業および取引先様にも展開できる体制となっているだけでなく、発注いただく品目も増えてきていることから、低コストで良質な商品が提供できるよう、細心の注意を払い、モノづくりのプロとして、邁進したいと考えております。「東栄ドキュメントセンターに依頼すれば安心」と、社内外から高い信頼を得られるチームにしていきたいです。
今後の目標
このドキュメントセンターを設立するにあたり、モデルケースとして他社の取組みを見学する機会がありました。その企業様の取組理念は、企業の「社会的責任」を全うすべく、障がい者雇用に積極的に取り組み、障がいの有無に関係なく活き活きと働ける職場を目指すというものでした。担当者の方が苦労されたことや、メンバーの成長と実績を伺い感銘を受けました。ドキュメントセンターは、当社内で重要な役割を担うまで信頼を得ることができていますが、それらの業務を通じて、メンバー全員がやりがいを感じながら、能力を発揮し、成長できる職場づくりが必要です。将来的に他社の障がい者雇用のモデルケースになることが直近の目標です。
今後の展開、展望
全国に約60拠点ある支店・営業所では、年々契約関係の書類が増えています。拠点のスペース確保や、お客様からお問い合わせに迅速に対応する為、文書の電子化が急務となっています。
印刷物の受注件数は当センターの認知と共に増加しています。また全社的な生産性向上・残業時間削減の推進により、他部門からの要望も多くなっています。
このため、一緒に働いていただける仲間を増やし、当センターの業務の幅を広げる事も今後の目的の1つです。